会社のサバイバル能力を高めよう~創造業のススメ3~

創業されたお客様のなかには「会社って平均で何年くらいもつのですか?」という質問をされる方がおられます。おそらく創業にあたり期待と不安の入り混じったなかでの疑問だったのではないかと思われます。私自身、設立した会社は3年以内に3割の会社が廃業、10年をこえて継続できるのは1割くらいみたいなことを誰から学生時代に友人から聞いた記憶があります。
中小企業庁の2005年時点の中小企業白書をみるかぎり、1年後の存続率が72%、3年後で50%程度、10年後で26%程度ではないかと読みとれます。
ただ私が税理士事務所での勤務時代に創業から関与させて頂きましたお客様を見る限りでは順調なお客様もいらっしゃれば苦しいお客様にいらっしゃいましたが、3年で5割の廃業というのはあまり実感のわかない数字です。ほとんどのお客様は創業融資をご活用されていました。
日本政策金融公庫の「新規開業パネル調査」(2016年12月)というデータを見る限り、日本政策金融公庫が融資をおこなった企業については3年後の生存率が94.5%をこえ、5年後の生存率89.2%という数値となっています。
私の実感としてはこちらの数値のほうが近いように思えます。
何故、日本政策金融公庫から融資をうけた企業の生存率が高いのかというと
まずは事業計画について融資審査という客観的な評価をうけたこと、支出が多い創業期に資金的なゆとりをもてたこと、資金繰りのノウハウを早期に見つけたこと。
この3点が大きいのではないかと推測されます。
やはり企業の末永い繁栄には、綿密なビジネスプランと第三者による客観的な評価、創業時の資金の準備、また創業後の困難な局面を耐えるための資金繰りの知識の早期の取得が必要ではないでしょうか。